この記事では公務員あるあるの中でも『研修』にまつわるネタを紹介します。
私は公務員から民間企業に転職しましたが、民間の研修は能動的なもので、公務員の研修は受動的なものと感じています。
両者の違いを感じた私が民間企業にはない公務員の研修の特徴を解説します。
この記事を読み終えれば、公務員の研修の特徴を知ることができます!
目次
クレーム対応研修が全く役に立たない
新規採用職員は必ずクレーム対応に関する研修を受けます。私のいた市役所では、中堅や管理職になってからもクレーム対応研修がありました。
研修では「こういう人にはこう対処すれば納得してくれます」「相手の要望を理解した上で適正に対応しましょう」と学びます。
しかし、クレーマーは十人十色であり、同じクレームが来ることはありません。
なので、クレーム対応研修で学ぶことは現場では役に立ちません。
現場で多くのクレームを受けて慣れることがクレーム対応力が1番身に付きます。
昇任前に研修がある
自治体によって呼称は変わりますが、公務員は『主事→主任→総括→係長→課長補佐→課長→部長』と昇任していきます。
次の役職に上がるときには必ず研修があります。
研修日程は昇任段階によりますが、私がいた自治体では主任に昇任する時は2日間、係長に昇任する時は4日間でした。
研修内容も昇任段階によって変わります。例えば、主任に昇任する時は「初めて部下を持つときの心構え」の研修があり、課長補佐に昇任する時は「リスクマネジメント」や「パワハラ」に関する研修があります。
また、私がいた市役所では研修の他に昇任試験がありました。昇任試験の内容は論文と面接でした。
全国の市町村職員と一緒になる研修がある
『市町村アカデミー』という研修施設が千葉県の幕張にあり、市町村の職員はこの研修施設に行く機会があります。
この研修施設では年間計画に基づき様々な研修を行っています。
短いもので2日間、長いものだと2週間の日程です。
研修には全国各地から市町村職員が集まります。ここでカップルが誕生したりすることもあるそうです。
新規採用職員研修の目的は仲間づくり
新規採用職員は入庁直後に研修があります。
私がいた市役所は3週間、県庁は2週間の研修でした。研修内容は「マナー研修」「職員としての心構え」「電話対応研修」など新社会人として必要な研修です。
もちろんそれらの研修も有意義なものもありますが、新規採用職員研修の1番の目的は仲間を作ることです。
毎日のように飲み会がありましたので、必ず参加してできるだけ多くの友人づくりに励みました。
「なんでそんなに友人を作る必要があるの?」と思われるかもしれませんが、友人が多いほど楽しい公務員人生になると考えていたからです。また、仕事で聞きたいことがあった時、知っている同期がいると非常に聞きやすいので、仲間を増やすことは大切です。
宿泊研修でボッチになったら地獄
新規採用職員研修の一つに宿泊研修がありました。この時、友人ができていないと非常に辛いです。
なぜ辛いかというと、宿泊研修ではグループワーキングが多かったり、部屋割が大人数で構成されるからです。
宿泊研修は研修の後半に組み込まれることが多いので、すでにグループ化していることが多いですが、ボッチを脱するラストチャンスです。ここでボッチを脱せないとなると結構きついです。
グループワーキングでは5~7名の同期と話し合いをするので自分から積極的に話しかければ親しい友人ができるはずです!
『さくら』として動員される研修や講演会が結構ある
私がいた市役所・県庁では、専門家や大学教授など外部講師による講演会や研修が年に数回開催されていました。
需要があって開催するのであれば人数も集まるのですが、たいていの場合は「集まるだろう」と憶測で開催します。
オリンピックでメダルを取った、メディアで紹介されたなどの相当な著名人による講演会や研修以外は人が集まりません。
参加人数が少ない時は『各課2名参加すること』などのお達しが来ます。若手が動員されることが多く、私も何回か行かされました。
一度、ほぼ『さくら』であった研修の時に次のようなやり取りがありました。
講師「こんだけ多くの方にお越しいただいてますが、みなさん自主的に参加されたのですか?」
人事課「は、は、はい、そうです!」
講師「それはすごいですね!」
『さくら』が多い中で聞かれたので、人事課はかなり焦っていました。
1日中研修だと仕事が溜まる
公務員は基本的に受け持つ仕事が一人一人違います。役所に電話で問い合わせると「担当がいないのでわかりません」「担当に繋ぎますのでお待ちください」と言われた経験ありませんか?
一人一人の仕事が違うため、担当者以外で仕事を進めることはできません。
なので、1日中研修だと仕事が溜まってしまいます。
研修が終わった瞬間に「職場に戻ったら電話メモ何枚貼ってあるんだろうな~」「係長や同僚から嫌な報告(市民からのクレームなど)ないといいな~」など同期同士でよく言っていました。
資料は大半が白黒
公務員はお金がないので資料の大半は白黒です。中にはカラーでないとわかりづらい資料もあります。
住民を対象にした研修や説明会ではカラー印刷となることが多いですが、それも参加人数によります。
まとめ|公務員あるあるネタ【研修編】
・クレーム対応研修が全く役に立たない
・昇任前に研修がある
・全国の公務員と一緒になる研修がある
・新規採用職員研修の目的は仲間づくり
・宿泊研修でボッチになったら地獄
・『さくら』として動員される研修や講演会が結構ある
・1日中研修だと仕事が溜まる
・資料は大半が白黒
この記事では『研修にまつわるあるあるネタ』を紹介してきました。
公務員の研修は年齢や役職によって受けるものが決まっていることが多く、どうしても受け身になりがちです。
受ける研修を自分で決めることができれば、受ける本人のモチベーションも高まると思いますが、なかなか難しいようです。
しかし、受けてみて面白かったと思える研修や非常にためになる研修もありますので、前向きに研修を受けてもらいたいと思っています。