この記事を読めば解決できる悩み
「公務員 向いている人」で検索すると色々出てきて、「本当に公務員に向いている人ってどんな人なの?」って思ったことありませんか?
私は市役所と県庁に勤務したことがあり、いろいろなタイプの公務員を見てきました。今回はその経験から感じた『公務員に向いている人』を紹介します。
この記事を読み終えれば、『本当に公務員に向いている人の特徴』を知ることができます。
現職公務員の方で「転職活動したいけど何をやっていいかわからない」という方は次の記事をご覧ください。私が2年間の転職活動で得たノウハウを詰め込んでいるため、最短距離で転職活動を終えることに役立つはずです。
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ネット情報にある『公務員に向いている人』に対する元公務員の意見
公務員試験を受けようと思った人は「公務員 向いている人」と1度はググったことがあると思います。私自身も公務員試験を受ける時は何度もググりました。
ネットで調べると次の9つが『公務員に向いている人』としてヒットすることが多かったので、今回はこの9つに対して公務員として9年間働いた私の意見を紹介します。
- 地味な仕事もコツコツこなせる人
- 協調性がある人
- 使命感・責任感が強い
- 年功序列に抵抗がない人
- 安定した生活・収入を得たい人
- 社会や人の役に立ちたい
- 地域に貢献したい人
- 住民目線に立てること
- ワークライフバランスを大切にしたい人
その通りだなと思ったものは〇、状況によるかなと思ったものは△、それはないかなと思ったものは×としています。
地味な仕事もコツコツこなせる人・・・〇
公務員の仕事には「無駄だな~」と思ってもどうしても変えられないことがあります。
例えば、次のようなものです。
- 日用品(鉛筆や消しゴム)を購入する時に決裁を取る
- 数百枚の文書に市長印を押す
- メールで送ればいいものも紙媒体で送る
このほかにも「これって誰が得するんだろう?」と住民サービスの向上に直結しない仕事が公務員には多くあります。
公務員の仕事には地味で無駄なものが多いことを理解し、それらが苦にならない人が公務員に向いています。
協調性がある人・・・〇
公務員に向いている人の協調性とは、相手の話しをきちんと聞き、理解することができることを言います。
公務員は住民のほか、他部署の職員や企業などとやり取りすることが非常に多いです。この時、聞く姿勢を持っていない人は仕事が進みません。
私の職場の先輩に人の話しを聞けない人がいるのですが、あまりにも自分の意見を言うので、相手が怒ってしまってイベントが開催できなくなってしまったことがありました。
相手の話しをよく聞き本質を理解できる協調性のある人が公務員に向いています。
使命感・責任感が強い・・・△
公務員に限らず社会人として使命感・責任感を持つことは大切ですが、公務員に関して言えば責任感が強すぎても良くないです。
というのも、責任感が強い公務員というのは上司や同僚から「あの人と仕事しづらいな」と思われることが多いからです。
県庁時代の職場に「県民のためになら何でもやる!」とう姿勢の人がいましたが、予算やマンパワーのことを考えずに突っ走った結果、周囲の理解がなかなか得られず仕事が進まなかったことがあります。
住民のために、と思った仕事でも周りの協力なしには成し遂げることはできません。その際に使命感や責任感が邪魔をすることもあるので注意が必要です。
年功序列に抵抗がない人・・・△
公務員は年功序列で役職や給料が上がると言われますが、自治体によって異なります。
私は市役所と県庁どちらもいましたが、県庁は年功序列で役職・給料が上がることがほとんどでした。
一方の市役所は最速39歳で係長になれることができ、40代前半で課長になれることもあります。県庁で課長になれるのは55歳くらいでした。
よって、私がいた市役所では50代の平職員よりも40代課長の方が役職・給料ともに上になることも結構ありました。
最近では評価制度を導入している自治体が増えているため、年功序列で給料も役職も上がっていくということは今後少なくなると思います。
安定した生活・収入を得たい・・・△
公務員は景気による影響を受けづらく、ボーナスがカットされるということもありません。
しかし、私がいた県庁では東日本大震災の時から数年間、基本給が5%減額されるなど給料がカットされることがありました。
退職金もここ10年間で平均600万円以上削減されていますし、サービス残業も昔と比べ多くなっています。
給料が民間企業のように大幅に減るリスクはありませんが、公務員は共働き夫婦も多いです。
個人的には給料は決して少なくないと思っていますが、twitter界隈では給料が低いと嘆いている人が結構いるため、個人の金銭感覚によるところが大きいです。
社会や人の役に立ちたい・・・×
公務員として9年間働きましたが、社会や人の役に立ったな~と思った記憶がありません。
私も公務員になろうと思った時は、社会の役に立ちたい!と熱い気持ちを抱いていましたが、残念ながら感じることはできませんでした。
この理由を考えてみましたが、次の2つの要因が大きいと思います。
1.条例や制度に縛られていて自分の考えや感情を仕事に反映できない。
2.「公務員なんだからやって当たり前」と住民が思っている。
1についてですが、住民が困っている時でも役所の仕事は条例や制度に縛られているため、自分の感情だけではどうしようもないことが非常に多いです。
補助金の担当をしていた時、どんなに助けてあげたいと思う住民がいたとして、要件を満たしていなかったため補助金の許可することができないことがありました。
2についてですが、税金を払っているのだから公務員が人の役に立つ仕事をするのは当たり前と思っている人がかなりいます。
そして感謝もあまりされないことから、人の役に立っているという実感が沸きづらいです。
以上のことから、公務員になりたい人で社会や人の役に立ちたいと本気で思っている人は良く考えた方がいいかもしれません。
地域に貢献したい人・・・×
「住民が何を求めているのかを把握し、住みやすい街を作る」と志望動機で言う人が大勢いますが、まず無理だと思ってください。
なぜなら、公務員の仕事は特定の地域の人を相手にする仕事ではないからです。市役所であれば、市外に住んでいる人とも関わります。私自身、市役所では税金関係の仕事をしていましたが、市外や県外の税理士や企業担当とやり取りをすることが多かったです。
それに住民が求めていることは膨大で、一つ一つに耳を傾けていたら仕事になりません。
確かに地域住民の困りごとを解決できるような仕事もあることにはありますが、それは住民トラブルであることが多いです。
公民館や出張所などのように地域の人との関わりが多い部署もあります。そのような部署では、地域に貢献できている実感を感じることができるかもしれません。
住民目線に立てること・・・×
窓口では住民の目線に立つことが大切なのは間違いないありませんが、住民の目線に立ちすぎて「住民のためにこれもやろう、あれもやろう」という状態になりやすい人は公務員に向いていません。
公務員は多くの住民と接するため、住民一人一人の要望を聞いていては仕事にならないからです。
そもそも要望とは一人一人違うものであり、それらを全て満足させることは不可能です。
よって、住民目線に立つ姿勢を持つことは大切ですが、あまり深入りせず一線を引ける人が公務員に向いています。
ワークライフバランスを大切にしたい人・・・×
公務員がワークライフバランスを保てるかどうかは、配属される部署とその人の働き方によるところが非常に大きいです。
忙しい部署は毎日21時を過ぎるところもあり、ワークライフバランスがなかなか保てないでしょう。
また、イベント系の部署では休日出勤も頻繁にありますし、私がいた市役所の福祉部署は土日も事務処理のために出勤していることが多かったです。
市役所の忙しい部署は次の記事で紹介していますので興味がある方はご覧ください。 続きを見る
「市役所に残業がない」はずがない。月100時間超えの部署あり。
9年間働いてわかった公務員に向いている人の特徴5つ
ここまでネットで検索して出てきた『公務員に向いている人の特徴』に対して、私の経験を踏まえて意見を述べてきました。
次に、公務員として9年間働いた私が感じた『公務員に向いている人』を5パターン紹介します。
- 住民に怒られても気にしない人
- 失敗を気にし過ぎない人
- あいまいなことを言わない人
- 特にやりたいことがない人
- 人の意見を聞ける人
ここで紹介する人は実際に私の周りにいた人です。私はそのような人たちに対して「公務員という仕事が合っていて仕事もできる人だな~」と感じていました。
詳しく説明していきます。
住民に怒られても気にしない人
私は今、民間企業で働いていますが、公務員は理不尽に怒られることが多いと感じています。
この理不尽な住民の怒りに対してくよくよする性格ですと、公務員は厳しいかもしれません。
特に市役所では毎日のように怒鳴られていました。怒鳴られ続けたおかげで、クレームに対して全く動じなくなりました。
むしろ、クレームに対してどう相手を言いくるめてやろう、と楽しくなってくることもありました。
私のように慣れればいいのですが、慣れない同僚もいました。そのような同僚は傷病に入るパターンが多かったです。
公務員はクレームに対して臆することなく仕事ができることが大切です。
失敗を気にし過ぎない人
失敗を気にし過ぎると仕事が進みません。私の同僚にも1つの仕事に対して考え過ぎてしまう人がいましたが、その人は毎日21時頃まで残業していました。
しかもこういうタイプの人には大変な案件が回ってきたり、イレギュラーなことが起きやすいです。そのためミスも多くなります。
結果なんて誰にもわからないし、やる時期、やる相手によって変わってきます。
失敗から学べやいいや、と思っている人の方が仕事も早いですし、何だかんだミスもない人が多いです。
あいまいなことを言わない人
公務員は何だかんだ言って住民からの信頼が高いです。しかし、その信頼度の高さから間違ったことは絶対言えないプレッシャーがあります。
例えば、新聞記者に伝えたことは新聞記事になりますし、住民に話したことが実は間違っていて修正しようとしたら、すでに手続きを進めてしまっていたということもあります。
公務員は住民から問い合わせがあった時に回答を急かされることが非常に多いのですが、この時にあいまいなことやわからないことはきちんと調べてから回答できる人が公務員に向いています。
即座に回答できないことに激怒する住民もいますが、あとで取り返しのつかないことにならないように根拠ある回答をすることが必要です。
特にやりたいことがない人
公務員は3~4年おきで異動があり、その都度経験がない仕事をすることも多いです。
異動希望が通ることもほとんどないため、「公務員になって絶対これをやりたい!」と思っている人は要注意です。
一方で、特にやりたいことがないという人は異動で一喜一憂することなく、異動する先々で淡々と仕事をこなすことが多いです。
実際、受験時に公務員としてやりたい仕事が明確にあった人よりも、「なんとなく受けた」「安定してそうだから」という理由で公務員を受けた人の方が仕事に対する対応力が高いことが多いです。
人の意見を聞ける人
公務員は人と関わることが多い仕事です。その時、まずは相手の意見を聞けるのが仕事を円滑に進ませる上で非常に大切です。
ここからは私の経験談ですが、住民からクレームを受けた時、まずは相手の意見を聞くことでこちらの意見も聞いてくれることが多かったです。
また、他部署に仕事のお願いに行くときも一方的に説明するのではなく、相手の意見を聞く姿勢でお願いすることで、引き受けてくれることが多かったです。
このように相手の意見を聞くことができることは公務員として仕事をする上で重要なことです。
公務員を辞めて後悔すること
この記事をご覧いただいている方の中には「自分は公務員に向いていないけど辞めたら後悔するかも」と思っている方もいると思います。
私自身、公務員を辞めて失ったことは次の7点です。
公務員を辞めて失ったこと
- 公務員という地位を失う
- ローンの金利が悪くなる
- 合コンがなくなる
- 気の合う同僚と会う機会が極端に減る
- 地元トークができなくなる
- お客さんからお金をもらう責任を感じる
- 自分で決断する必要がある
下2つは公務員を辞めて失ったことというよりも公務員の方が気楽だったことです。
私は今のところ公務員を辞めて後悔はありませんが、上で紹介した公務員を辞めて失ったことは人によっては後悔に繋がります。
詳しくは次の記事で紹介していますので、自分が公務員を辞めて後悔するかも、と思う場合はご覧ください。
まとめ
私が考える『公務員に向いている人』をおさらいします。
・住民に怒られても気にしない人
・失敗を気にし過ぎない人
・あいまいなことを言わない人
・特にやりたいことがない人
・人の意見を聞ける人
この記事では『公務員に向いている人』について紹介してきました。
正直なところ、向いている向いていないは実際に働いてみないとわからない面もあります。
なので、私の紹介した『公務員に向いている人』は1つの参考としてください。
しかし、1つ自信を持って言えることがあります。それは、私は市役所と県庁の2つの自治体で働いたことがありますが、公務員として活躍している人は必ず上で紹介した5つの特徴のうち1つ以上に当てはまるということです。
よって、私が紹介した『公務員に向いている人』に1つでも当てはまれば公務員として活躍できる可能性があるということです!
最後はちょっとだけ大げさな感じになってしまいましたが、今回はこれで終わります(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました!