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退職

公務員の退職金は10年間で600万円減っている

公務員の退職

公務員の退職金って年々減っているのご存じですか?

私は9年間地方公務員として働きましたが、退職金が年々減っているのは薄々感じていました。

しかしながら、具体的にどの程度減っているかは把握していませんでした。

そこで、この記事ではデータがある平成17年度から令和元年度における地方公務員の退職金の推移を紹介します。

この記事を読めば地方公務員の退職金がどのくらい減っているかがわかります!

 

退職金は10年間で500~600万円減っている

私がいた県庁の場合

早期退職及び定年退職の平成17年度から令和元年度までの退職金の平均額の推移は次の表のとおりです。自己都合退職の推移は後述します。

メモ

各自治体、「給与・定員管理等」などの名称で給与に関する資料を公表しており、今回はこの資料を参考にしました。

年度退職金(万円)
H182,781
H192,746
H202,738
H212,758
H222,735
H232,749
H242,560
H252,436
H262,249
H272,291
H282,289
H292,200
H302,220
R元2,186

グラフにするとこんな感じです。
定年退職の退職金

 

表とグラフから次のことが読み取れます。

私のいた県庁の退職金

・令和元年の平均退職金は2,186万円
・10年前と比べると600万円減っている
・平成24年度から平成26年度の減少が著しい

平成17年度から23年度はほとんど減少していませんが、平成24年度から急に減少しました。平成24、26年度に至っては前年比で200万円近く減少しています。

 

全都道府県の場合

次に全都道府県の平均退職金の推移を見てみましょう。ここでは総務省が行っている「給与・定員等の状況」を基に算出しました。
なお、今回は定年退職者の平均退職金の推移(平成18年度~令和元年度)です。

年度退職金(万円)
H182,734
H192,682
H202,738
H212,721
H222,716
H232,710
H242,690
H252,622
H262,418
H272,301
H282,265
H292,288
H302,236
R元2,181

グラフにするとこんな感じです。

私がいた県庁の平均退職金とそんなに変わらないですね。平成18年度と令和元年度の平均退職金を比較すると次の様な特徴がありました。

都道府県庁の退職金

・全都道府県で減っていて平均550万円減っている
・最も減ったのは鳥取県の1,200万円減
・最も減らなかったのは京都府の280万円減

鳥取県は平成30年度から令和元年度にかけて820万円減少して、この影響が大きそうです。なぜこんなにも減少したか調べましたが原因はわかりませんでした。わかり次第、記事を更新したいと思います。

 

政令指定都市の場合

政令指定都市の場合です。こちらも定年退職者の平均退職金の推移(平成18年度~令和元年度)です。

年度退職金(万円)
H182,807
H192,799
H202,801
H212,813
H222,783
H232,773
H242,758
H252,713
H262,465
H272,457
H282,357
H292,370
H302,325
R元2,214

グラフにするとこんな感じです。

政令市平均退職金

平成18年度と令和元年度の平均退職金を比較した時の特徴は次のとおりです。

政令指定都市の退職金

・全政令市で減っていて平均580万円減っている
・最も減ったのはさいたま市の1,400万円減
・最も減らなかったのは札幌市の290万円減

さいたま市は平成29年度2,563万円、平成30年度2,286万円、令和元年度1,532万円と直近3年間の減少が著しいです。

こんなにも退職金が減った明確な理由はわかりませんでしたが、退職金は基本給(要するに役職)によって大きく変動するため、たまたま役職が高くない方の退職が多かったのかもしれません。

 

退職金が減ったのは支給率が減ったから

公務員の退職金は基本額と調整額から構成されています。このうち基本額は支給率に大きく影響します。

支給率が低ければ退職金が減り、高くなれば退職金が増えるということです!

平成17(2005)年から令和元(2019)年までの支給率は次の表のとおりです。今回は私がいた県庁の支給率を示しましたが、毎年国と同じです。他の都道府県でも基本的には国の支給率を参考にしているため、どこも一緒だと思われます(東京都を除く。)。

年度支給率(月分)
H17 

 

59.28

H18
H19
H20
H21
H22
H23
H2455.86
H2552.44
H26 

49.59

H27
H28
H29 

47.709

H30
R元

グラフにするとこんな感じです。
定年退職の支給率

平成23年度の59.28月分から平成29年度は47.709月分になっており、たった6年間で12月分支給率が減っていることになります。12月分なので1年間の給料分です。

また、退職金の推移と同じように平成24年度頃から支給率が減少しており、退職金の減少と同じ傾向です。

よって、退職金が減ったのは支給率が減少したことが原因であることがわかります。

 

自己都合退職の場合でも支給率は減っている

これまでに示した退職金の平均及び支給率は早期・定年退職のものでした。ここでは自己都合退職の場合ではどうなるか見てみましょう。

私のいた県庁における平成17(2005)年から令和元(2019)年までの自己都合退職者の支給率は次の表のとおりです。


年度
勤続年数
20年25年35年
H17 

 

23.5

 

 

33.5

 

 

47.5

H18
H19
H20
H21
H22
H23
H2423.0332.8346.55
H2521.6230.8243.7
H26 

20.445

 

29.145

 

41.325

H27
H28
H29 

19.6695

 

28.0395

 

39.7575

H30
R元

 

こちらもグラフにしてみました。
自己都合退職の支給率

 

少々見づらいですが、どの勤続年数でも支給率が減少しています。

よって、定年退職の場合だけでなく自己都合退職の場合の退職金も減っていることがわかります。

なお、自己都合退職者の平均退職金は年齢及び勤続年数によって異なるため、早期・定年退職者の平均退職金よりも年度による差が激しいです。そのため、自己都合退職者の平均退職金の推移は今回示しませんでした。

 

退職金が減った理由

県のホームページを見ると、退職金が減った理由について「退職給付水準の公民較差を是正するため」とありました。

よって、公務員の退職金が減ったのは、民間企業の退職金が減ったからと予想されます。

本当にそうなのか厚生労働省の「就労条件総合調査」で調べてみました。使用した指標は、学歴別退職者1人平均退職給付額のうち大卒者の定年退職における平均退職金です。

平成15年:2,582万円
平成20年:2,378万円(▲204万円)
平成25年:2,367万円(▲11万円)
平成30年:2,188万円(▲179万円)

公務員ほどの減少ではありませんが、平成20年度から30年度にかけて約200万円退職金が減少しています。

あくまで全都道府県と民間企業との平均退職金の比較ですが、平成20年度においては360万円ほど公務員の方が高かったです。それが平成30年度では50万円の差となっており、10年間で官民の退職金の差が縮まってきています。

よって、10年前の公務員の退職金は民間企業よりもかなり良かったが、今はそこまで差がないことがわかります。

 

まとめ|公務員の退職金は今後も減るかも

この記事では公務員の退職金が減っていることを紹介しました。

公務員の退職金は大幅に上がることも下がることもありませんが、最近の傾向を見ると今後も下がることが予想されます。

退職金がなくなるということは考えにくいですが、「公務員の退職金は2000万円」と言われる時代が終わるのはもうすぐでしょう。

 

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