「人間関係が最悪」「仕事しない50代の方が年収が高い」「異動が多すぎ」
公務員を辞めたい人の中には、このような不満を持っている人がいるのではないでしょうか。
しかし、これらの不満は何も公務員だけに当てはまることではありません。
私は9年間働いた公務員を辞め、今は民間企業で働いていますが、公務員が感じる不平不満は民間企業でも感じる可能性があると思っています。
そこで、この記事では公務員を辞めたいと思っている人に向けて、「その理由で公務員を辞めるのはちょっと待って!民間企業でも同じことを感じるかもよ!」という話しをしていきます。
目次
民間企業にも当てはまる公務員が感じる不満
ツイッターを見ていると、転職を考えている公務員の方は次のような不満を感じている場合が多いようです。
- 人間関係が嫌だ・上司と気が合わない
- 自分のやりたいことができない
- 公務員の将来も決して安泰でない
- 給与が上がらない
- 理不尽なクレームが多い
- 異動が多くて腰を据えて働けない
次から、民間企業でもこれらの不満を感じることがあることを詳しく解説していきます。
人間関係が嫌だ・上司と気が合わない
上司や同僚と合わないことは民間企業でもあり得ることです。
特に社員数が少ない場合、異動がほとんどなく、気が合わない人とずっと一緒に働き続ける可能性もあります。
私の職場は異動はありますが、社員数が少ないため異動しても同じ事務所内にいるため、ほぼ毎日顔を合わせます。
一方、公務員は異動が頻繁で、嫌な人とも2年、長くて3年しか一緒に仕事をしません。
特に比較的職員がいる自治体の場合、異動によって事務所が変わったり、働く階が変わったりして、顔を見なくなることもあります。
よって、人間関係が嫌でも公務員の場合は異動によって解消される可能性が非常に高いです。
余計なお世話かもしれませんが、人間関係が嫌だから公務員を辞めたいと思う人は、人間関係で悩む理由が自分にもあるのではないかと思うことも必要かもしれません。
自分のやりたいことができない
私も公務員時代、「異動や部署が多すぎて自分のやりたいことができない」と思っていました。
しかし、民間企業に行っても自分のやりたいことが100%できるわけではありません。
公務員も民間企業も組織である以上、個人のやりたいことを優先させるわけにはいかないのです。
「この仕事やりたくないんだよな~」と思う気持ちは十分にわかりますが、民間企業に行っても気乗りしない仕事を行うこともあります。
それに、公務員が行う仕事には、やってみたら意外と面白い仕事もたくさんあるので、気持ちを入れ替えて仕事に臨むことも大切です!
公務員の将来も決して安泰ではない
断言しますが、公務員は民間企業よりも安泰です。
民間企業は競合他社に負けるとお金が入ってきません。お金がないと倒産してしまいます。
それに民間企業は1度不祥事を起こすとその後業績を回復させるのが大変です。
「食品に農薬が混ざっていた」「水虫治療薬から睡眠導入剤が検出され死亡者が出た」
こんなことが起これば会社が存続の危機です。
一方、公務員の場合、職員が逮捕されても、税金を過大請求しても、給付金の支払いミスがあっても、自治体の存続には影響ありません。(もちろん個人の責任はあります。)
自治体で財政破綻したのは夕張市のみであることも踏まえると、民間企業の方が潰れる可能性が明らかに高いです。
給与が上がらない
確かに若手のうちは上がらないかもしれませんが、将来的に上がります。
どんな感じで上がっていくか気になる方はこちらの記事をご覧ください。私がいた県庁で年齢毎の予想年収を公開しています。 続きを見る
地方公務員の年齢別年収と生涯年収
一方、民間企業は成績が全てで、会社や個人の業績によっては年収が下がることもあります。
銀行勤めの友人の話しですが、同じ45歳でも主任は600万、支店長は1100万と、成績によってかなりの差があるようです。45歳で600万ですと、ある程度規模がある市役所で働く45歳の方が年収が高いです。
また、住宅メーカーの営業をしている友人は、契約が取れなかった時は、年収が200万円も下がるそうです。
「給料が上がらない」と思っている人の中には、「仕事ができない50代より仕事が多いのに、何で俺の方が給料が安いんだ」と思っている人もいると思います。
気持ちはわかりますが、民間企業に行くと優秀な人がたくさんいます。その人たちに勝てますか?という話しです。
仕事ができる若手が民間企業にはたくさんいます。給料を上げるためにはその人たちに出世競争で勝たなくてはいけません。
理不尽なクレームが多い
公務員に対する理不尽なクレームは私も経験しました。
しかし、クレームは民間企業にも当然あります。幸い、私の会社ではクレームがほぼありませんので、元銀行員で、今は市役所に勤める友人から聞いた話しを紹介します。
元銀行員の友人は多額のお金を動かしていたのでクレームがすごかったそうです。
なので、公務員に対するクレームは全く大したことなく、公務員になって仕事を嫌だと思ったことは1度もないそうです。
また、「市民から罵声を浴びただけで傷病に入ってしまうことが不思議で仕方ない」と言っていました。民間人から見たら、公務員はメンタルが弱いという印象があるそうです。
公務員がクレームの対象になりやすいのは事実ですが、民間企業も公務員と同じように壮絶なクレームを受ける可能性があります。
異動が多くて腰を据えて仕事ができない
ここでは「その不満、民間企業にも当てはまるよ」という話しではなく、「その不満、捉え方によっては良いかもよ」という話しをします。
公務員の中には「異動が多すぎて嫌」と思っている人も多いと思います。
私も公務員時代、異動が多いことは非常に嫌でした。しかも異動希望ってほとんど通らないですからね。
しかし、民間企業に勤めた今、異動は非常に良いことだと思うようになりました。その理由は次の2つです。
人が入れ替わる
仕事に飽きがこない
私が勤めている会社は人数が少ないので、気が合わない人がいても、どちらかが辞めない限りは我慢する必要があります。
一方、公務員は異動が頻繁なので、嫌な人が居ても数年我慢すれば居なくなります。
また、異動により様々な仕事を経験できることは、ずっと同じことをやることがないため、仕事に飽きがきません。
私の会社では、工場の流れ作業のようなことを30年以上続けている人がいますが、よく飽きないなと思います。私は飽きる自信しかありません。
さらに、公務員は異動が多くて専門的スキルが身に付きづらいと思う人も多いですが、同じ部署に長くいるだけで専門的スキルが身に付くわけではありません。
確かに同じ仕事を長くしていれば、専門的スキルが身に付くチャンスは多くなりますが、結局は自分次第です。
私の会社にもずっと同じ仕事をしているのに、できない人もたくさんいます。
まとめ
この記事では、公務員を辞めたい理由は民間企業にも当てはまるかもいうことを私の経験を元に紹介してきました。
公務員が恵まれた環境であることは間違いなく、生半端な気持ちで民間に行くと「公務員の方が良かったな~」と後悔します。
そのミスマッチをできるだけなくして欲しいと思い、この記事を書きました。
転職の理由は人それぞれです。転職に失敗しないためにも、ここで紹介したこと以外のこともよく考えてから転職をすることをオススメします!