地方公務員を希望する方の中には、市役所と県庁どちらにしようか迷っている方も多いはず。
私は市役所に3年、県庁に9年勤めていました。また、妻は市役所14年目、義父は市役所39年目、義弟は県庁7年目です。
なので、公務員の実情は他の人より詳しいです。
そこで、この記事では私が実際に働いて感じた市役所と県庁の違いを記事にしました。仕事内容などの堅苦し内容だけでなく、ワークライフバランスや職場の雰囲気など働く上で非常に重要なことも話していきます。
注意
ここで紹介する話しはあくまでも私が働いていた市役所と県庁のことが中心です。市役所と県庁は絶対こうだ!というものではありません。
当ブログでは公務員になりたい方に情報発信しています。よかったら他の記事もご覧ください。
また、noteでは地方公務員の面接でよく聞かれる質問の回答も有料公開しています。面接で「なぜ県庁なのか」「なぜ市役所なのか」と聞かれた場合の回答も用意しています。
目次
市役所、県庁の仕事内容を詳しく知る方法
この記事では、働く上で重要な要素となる残業時間やクレームの多さなどの違いを紹介していきます。
しかし、この記事をご覧いただく方の中には、市役所と県庁の具体的な仕事内容を知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事でも市役所と県庁の仕事の違いについても触れていきますが、正直なところ、各自治体によって仕事内容は異なります。
「自分の受ける自治体の詳しい仕事内容が知りたい!」という方は次の2つの方法をオススメします!
私自身、これから紹介する方法で受験する市役所と県庁の詳しい仕事内容を把握していました。
公務員関連の雑誌を読む
実務教育出版社から出版されている「受験ジャーナル」には実際に公務員として働いている人のインタビューが載っているので、かなりオススメです。地方公務員のほか、国家公務員も登場します。
インタビューの他にも、合格体験記や予想問題なども載っていて公務員を目指す方にはオススメの本です。私も直前問題集は良く活用していました。
また、公務員関連の方を安く読むにはKindleUnlimitedがおすすめです。
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採用説明会に参加する
受けたい自治体の採用説明会に参加するのも、仕事内容を具体的に知る良い機会です。
私が参加した自治体の採用説明会では、全体的な説明の後に、職種に分かれて具体的な仕事内容の説明がありました。この時は7名程度の受験者に対して1名の職員が対応してくれるので、直接質問をすることができました。
若手職員が参加することが多く、人事担当に聞けないことも聞けたり、具体的な仕事内容も聞けるので、説明会は参加することをオススメします。
勤務地の範囲
勤務地が限定的なのは市役所
市役所は基本的に市内での勤務です。
市内に出先機関があるとそこにも行く可能性があります。
しかし、出先機関に行く人数は限られているので大抵の人が本庁勤務です。
転居を伴う異動はありませんが、市の面積が広い場合は通勤時間が長くなる場合もあります。
ただし、ある程度大きい市役所になると国の機関に出向もあるので、その場合は東京勤務になります。
県庁は通勤時間が長くなる
県庁は県内での異動ですので、市役所よりも広い範囲に通勤する可能性が高いです。
東京都は職種によっては離島への異動があります。
北海道はとても広いので、転居を伴うことが多いです。
私の知り合いも網走から函館(600km離れている)に異動になっていました。
私の県庁では公共交通機関で片道1.5時間以内のところにしか異動しないというルールがあります。
なので、県北に住んでいる人が、県南勤務になることはほぼありませんでした。
異動
本庁内での異動が多いのが市役所
市役所は本庁内の別の課に異動することが多いです。
市役所の出先機関は県庁の出先機関と比べて担当業務が少なく、人数も少ないからです。
その他、図書館や公民館などの出先機関もありますが9割方本庁勤務です。
異動先が多いのは県庁
勤務範囲が広いので異動先も多いのが県庁です。
県庁は出先機関が市役所に比べて多いです。
私のいた市役所は県庁所在地でしたので出先機関も13か所ほどありましたが、県庁はそれよりも多く35か所ほどありました。
異動先が多い、出先機関が多いということは人間関係に悩んだり、仕事が嫌でも、3~4年我慢すれば何とかなります。
異動頻度はどちらも同じ
市役所も県庁も基本的には3~4年で異動です。
一部、7~10年間同じ部署にいる人がいますが、非常に珍しいです。県庁よりは市役所の方が、同じ部署に長くいる人が多い印象です。私の知っている人で16年同じ部署だった人もいます。
市役所も県庁も国の機関や民間企業に出向する場合があります。
県庁は東京に事務所があること場合が多いので、東京勤務になることもあります。大阪に事務所がある県庁もあります。
また、県庁職員が市役所、市役所職員が県庁に出向することもあります。
異動希望は通らない
市役所も県庁も基本的に異動希望は通りません。
採用パンフレットに「本人の経験・適正・希望を総合的に判断します」と希望が通るように書いてありますがウソです。
公務員の異動はパズルです。できる人は忙しい部署に、できない人は楽または同じ仕事をしている人が多い部署に異動することが多いです。
仕事のイメージ
市役所は住民との接点が多い
よく聞くことですが、これは間違いないです。
住民からの問い合わせの電話や直接話す機会は市役所の方が1000倍多いです。
私が県庁の時に担当していた補助金も、実務は市役所が行っていました。
県庁は市町村でいくら補助金が必要かを取りまとめて国へ申請したり、各市町村で余った補助金を他の市町村に使ってもらえるようにお願いをしたりしていました。
県庁は市役所と国のパイプ役
補助金を例に説明します。この補助金は国が考えた補助金で、補助金を欲しい人に交付する実務を担うのは市役所です。
県は国から事業の説明を受けたら、それを県内各市町村担当者に説明会などで周知・説明をします。
その次に実際に運用することになるのですが、国からは補助金に関するアンケートや補助金が余ったから県内の市町村で使うところはないか、などと照会をかけてきます。この調整をするのが県庁です。
また、市からは「お金が足りません」「住民から苦情が来ています」「事業の意味がわかりません」「このケースは交付してよいか」などと相談が来ます。この相談に乗るのが県庁です。
このように県庁は説明役、調整役、相談役という感じです。
楽しさ
人間模様が楽しい市役所
市役所では税金の仕事をしてました。具体的には税金を賦課する仕事です。
私は未申告の税金を洗い出し1億円の税収を新たに確保したのですが、この時は達成感があり、仕事も楽しかったです。
また、市役所には本当に色んな人が来ますが、今思えばこれが割りと楽しかったと思います。
・子供の居場所を教えろとモノを投げつける人
・生活保護受給者で最新スマホを持っている人
・足が悪いと言っていたのにウサイン・ボルト並みのスピードで市長室に駆け込む人
など
このような話しが職員同士で話題に上がったりして盛り上がることがありました。不謹慎かもしれませんが、濃い市民も多かったのは事実で、その方の話しを直接聞いたり、他の職員から聞いたりするのは案外楽しかったです。
広い範囲の現場に行けることが楽しかった県庁
市役所と違い、県庁は県内全域を担当します。細かく言えば、地域ごとに出先機関があるので、そこの職員がその地域を担当するのですが、私は本庁勤務でしたので各地域の現場に行くことが多かったです。
具体的には補助金の説明をしたり、イベントのために周知活動を行ったり、県が進める取り組みを推進したりしていました。
県庁では現場に行く機会は少なかったので、現場に行けた時には非常に楽しかったです。
研究の仕事をしていた時も楽しかったです。
自分で研究計画を立て、それを立証して、時には外部の人から意見をもらっていました。その意見を次の研究計画に反映して、良い研究が行えた時は喜びと楽しさがありました。
学会で遠方に出張したり、研修で他の県の人と仲良くなったりと楽しかった思い出があります。
人が楽しいのは市役所
市役所の方が楽しい人がたくさんいました。
楽しい人とは私の場合、ちょっとおバカな話しができる人です。
・アイドルの写真集を見せびらかしてくる50歳くらいの人
・怪しいお店に有給取ってみんなで行く
・人妻と飲んだと自慢してくる同期
など
昼食を外に食べに行ったり、プライベートで遊ぶことが多かったのは市役所の人でした。
地方テレビ局の知り合いも「県庁職員はつまらない人が多い」と言っていましたし、市役所と県庁に出入りしている生保レディも「市役所の方が和気あいあいとしてて楽しそう」と言っていました。
客観的にみても市役所の方が楽しいようです。
大変なこと
災害対応が多い市役所
市役所職員は、台風などの災害時に避難所の開所や運営などを行います。
災害担当の部署もあるにはあるのですが、人数が足りないので応援職員が配置されます。
私も東日本大震災の時に避難所に行きました。私が避難所に行った時にトラブルは発生しなかったのですが、私の友人が台風で避難所に行った時におかゆを出したところ、「こんなもの食えるか!」と胸倉をつかまれたそうです。
このように市役所職員は災害の時も自分の家族よりも仕事を優先させなくてはなりません。
議会やマスコミ対応が多い県庁
市役所にもないわけではありませんが、県庁の方が議会やマスコミ対応が多いです。
議会対応は6、9、12、3月にあります。
議会対応は議員さんが議会で質問するときの事前準備であったり、答弁作成です。
答弁作成とは議員さんの質問とその回答を作成することを言います。
この時はどんな仕事であっても議会対応が優先されます。
議員さんから「話し聞きたいから今から来て」と呼ばれて行くこともありますし、「今日の午後行くから資料作っておいて」と言われ、大急ぎで資料を作ったのに「やっぱ行けないや」と言われることもあります。
マスコミ対応は新聞記者やテレビ局からの取材対応になります。
記事になったり、放映されることになるので、言い回しや言う内容にかなり慎重になります。
そのため、疲れますし、経験も必要になります。
これだけであれば良いのですが、マスメディアは自分たちの良いように勝手に記事を作ってしまうこともあります。
このウソ偽りの記事に抗議したり、時には修正を依頼することもあります。
これも苦労が絶えない県庁の仕事です。
1度言ったことは訂正できない。
これは市役所でも県庁でも大変なことの1つです。
どういうことかと言うと、ある職員が「こうすれば税金が安りますよ」と言ったとします。
実はこれが間違いで、他の職員が説明したところ「あいつは安くなるぞと言ったぞ!!」とクレームに繋がるのです。
これがかなり厄介で、クレーマーは自分に不都合なことが起こると怒号を発します。
これを沈めるために複数人で対応する、長期間に及ぶなど心身ともに疲弊するため大変です。
市役所、県庁職員は発する言葉に気を付けなくてはなりません。
クレームの多さ
クレーム、クレーマーは市役所の方が1000倍多い
市役所にいた時はほぼ毎日クレームの電話を受けていました。
「交付が遅い!」
「委任状書きたいから個人情報教えろ!」
「なんで証明書が出ないんだ!」
こういう人たちにはいくら説明しても無駄なので、ひたすら耐えるしかありません。
私感ですが、きちんと説明すればわかってくれる人5%、説明しても納得しない人95%です。
国民健康保険担当はクレームで仕事にならないので、定時を過ぎると電話線を抜いていました。笑
県庁には市役所で処理できなかったクレームがたまにくる
数は市役所と比べ、圧倒的に少ないですが、県庁には市役所で処理できなかったクレームがきます。
けど、ありがたいことにクレーマーは市役所職員よりも県庁職員の方が頭が良いと思っているのか、説明すると結構納得してくれます。
その時、「やっぱり市役所職員はわかっていないな~」と嘆くのですが、あとで聞くと市役所の方も同じ説明をしていました。
何とも言えないですが、クレーマーからの信頼度は市役所職員より県庁職員の方が高いかもしれません。
忙しさ
イレギュラーな案件が多いのは市役所
イレギュラーな案件とはクレームです。
クレームに当たってしまうと平気で半日は潰れますので、その間自分の仕事はできません。
私もたばこ税に関する文句を言われたり、他の職員の態度が悪かったといちゃもんを付けられたりして、半日潰れたことが何回もあります。
また、窓口がある部署では開庁中は基本的に自分の仕事ができません。
閉庁後に自分の仕事をやるため、その分残業することになります。
私は県庁からの帰り道、自分のいた市役所を通って帰っていたのですが、明らかに市役所の方が遅くまで電気がついていました。
自分の裁量でできることが多いのは県庁
一方、県庁は窓口が基本的にないため、自分の裁量で仕事ができます。
しかも、一人一人別の仕事を担当していることが多いため、自分の仕事が終わっているのであれば有給なども取れます。
ただし、県庁は市役所よりも他部署と連携して仕事をすることが多いため、関係各課との打ち合わせが多いなと感じました。
残業時間
残業時間は部署や人によってまちまち
私が在籍していた市役所の残業が多い部署をこちらの記事にまとめてあるのでこちらをご覧ください。
「市役所に残業がない」はずがない。月100時間超えの部署あり。
続きを見る
残業手当を多く付けられるのは市役所
市役所も県庁も残業手当は満額支給されません。
1年間に申請して良い残業時間が決められています。
予算が余った場合には年度末に追加で配分されることもありますが、あまり期待しない方がいいです。
私が市役所にいた時は年間200時間分くらいまでは残業手当がもらえました。
同期に聞いても、240時間や270時間など200時間台が多かったです。
一方の県庁ですが、私の申請して良い残業時間は年間135時間でした。同じ課の人に聞くと150時間、120時間など100時間台が多かったです。
出先機関の人は90時間でした。今年銀行から県庁に転職した友人は20時間のようです。
このように市役所の方が付けて良い残業時間が多かったです。
やりがい
住民から感謝されるのが市役所のやりがい
市役所は直接住民と接することが多いです。
正直、感謝されることはかなり少なく、クレームがやたら多いです。
こちらが親切に対応してもクレームを付けてくるため心が折れそうになります。
その分、感謝してもらえた時は非常に嬉しくなります。
私も市民の方から手紙をもらったり、札幌に引っ越してしまう人から電話で「市役所の人が本当に優しいので、いつか戻ってきたいです」と言われたときは、市役所職員で良かったな~と思いました。
事業が成功することが県庁のやりがい
県庁は市役所が困っていることに対して事業化してお金を交付することがあります。
全国的な問題となることが多い台風被害であれば、国が予算化してお金を配分してくれますが、一部の県でしか発生していない問題や課題に関して国は予算化しません。
しかし、県は県内の市町村がその問題で困っているのであれば事業化してお金を付ける必要があります。
事業を行うのにも、関係各課と念入りな打ち合わせをしたり、予算を付けるためには財政課と協議したりするため長い時間が必要になります。
そのため、1つの事業が始まるまでに担当が異動で2,3回変わるというのも珍しくありまえせん。
長い時間をかけて事業が成功したときの喜びは大きかったです。
市役所や国からの相談に乗って解決することも県庁のやりがい
県庁は住民から相談されることはあまりありませんが、市役所や国から相談されることはあります。
市役所からは専門的な知識が求められる相談が多かったです。
また、県庁は普段から県内の市町村とやり取りを行っているため、「そのトラブルは〇〇市でもありました。対処法は、、、」などと他市町村で実際に起きた例を参考に助言したこともありました。
これが意外と解決に結びつくことが多く、市役所職員から感謝されます。
国からは「こういうことを調査したいんだけど、県内の市役所をどこか紹介してくれないか」と調査依頼の相談が来たりします。
この時に調整して無事に調査が完了した時は協力できたことに一安心します。
(調査に入った市役所には迷惑をかけることになりますが。笑)
仕事上のメリット
住民の生の声が入ってくる市役所
公務員として仕事する上で住民の生の声が聞けることは大切です。
なぜなら、求められていないことをやっても仕方ないからです。
この点で市役所は住民からの声が届きやすく、住民に寄り添った仕事ができます。
例えば、申請書の形式を直す際も、市役所であれば住民からどの部分がわかりづらいか直接意見があることが多いため、住民目線で修正することができます。
一方、県庁の場合は何か直す場合でも住民からの意見が入ってこないので、どうしても職員間で出た意見を参考に修正せざるを得ません。
様々な役所の意見を聞くことができる県庁
県庁は県内の市町村の取りまとめ役であるため、県内全市町村の意見を聞く機会が多いです。
市役所で働いていると、他の市役所の人と接点を持つ機会は少ないです。
これは仕事上で何か問題が発生したときの対処法が狭まることになります。
私は市役所で税金の仕事をやっていたのですが、「あそこの市役所ではできたのに、なんでお宅ではできないの!?」とよく言われました。
こういう時に「他の市役所と情報交換できればな~」と思ったものです。
県庁にいると県内全市町村の普段の業務内容や市町村独特のルールを知ることができます。
これが自分の仕事に役立つこともありますし、県内の市町村から相談を受けた時に解決策を提示できる可能性が高くなるので非常に良かったです。
休暇の取りやすさ
休暇の種類は変わらない
・年次休暇→20日
・夏季休暇→6日
・結婚休暇→6日
・妻の出産休暇→2日
など
市役所も県庁も休暇の種類・日数に違いはありませんでした。
夏季休暇が8日間ある自治体もあるそうです。
年次休暇が取りやすかったのは県庁
年次休暇は県庁の方が取りやすかったです。
県庁では一人一人持っている仕事が違っていたので、自分の仕事が終わっていれば比較的自由に休みが取れました。
市役所では全員が同じような仕事をしていて一見休みを取りやすそうです。
しかし、同じ仕事をしているということはそれだけ業務的に忙しいということで、県庁よりも休めなかったです。
休めなかったといっても市役所の時も10~12日は年次休暇を取得しました。
県庁には6年間勤務したのですが、毎年15日以上は年次休暇を取得しました。
子育てのしやすさ
育児短時間勤務が多かったのは市役所
育児短時間勤務とは、小学校就学前の子どもを養育する場合に希望する日及び時間帯において短時間勤務することが可能である制度です。
要するに小さい子どもがいる職員は1~2時間ほど早く帰れる出来る制度です。
市役所職員は比較的この制度を活用していた印象があります。
私のいた部署は窓口業務でしたので、みんなが同じような仕事を行っていたので助け合うことができたからだと思います。
窓口以外の部署の人でも少なからず、この制度を利用して早く帰宅していました。
遠方勤務の可能性がある県庁で子育てはきつい
一方、県庁では育児短時間勤務制度を活用している職員は見たことがありません。制度自体はもちろんあります。
この理由ですが、県庁は一人一人別の業務を行っていることが多く、その人の代わりがいないためだと思います。
配偶者がお迎えに行ったりしているため、制度を活用しなくても良いケースも考えられますが稀だと思います。
また、県庁は遠方の勤務地となる可能性が高いので、子育てのしやすさでいったら市役所よりも劣ります。
産休に入った時の部署が遠方だと、復帰してから少なくともその年度中は勤務先が遠方になります。
私の部署にも車で片道1時間半ほどかけて通っていた子育てママがいましたが、なかなか大変そうでした。
給料・福利厚生
給料は県庁の方が高い場合が多い
総務省の地方公務員給与・定員等の状況を基に平均年収を算出しました。
平均 | |
都道府県 | 6,301,313円 |
政令指定都市 | 6,649,620円 |
特別区 | 6,620,495円 |
市役所 (政令指定都市を除く) | 6,025,534円 |
町役場 | 5,531,970円 |
村役場 | 5,257,995円 |
政令指定都市>都道府県≒県庁所在地がある市(政令指定都市除く)>その他の市>町村となります。
個別の市町村と都道府県の平均年収は次の記事でまとめています。
福利厚生は市役所の方が良い
県庁になくて市役所にあった福利厚生は次のとおりです。
・入学祝い金が5万
・職員専用の筋トレルームがある
・旅行代理店やクリーニング屋が庁舎内にある
入学祝い金は小学校入学時と中学校入学時にそれぞれ5万円もらえました。県庁は小学校入学の時だけで、額も1万円でした。
私がいた市役所は規模も結構大きかったので、県庁よりも良かったのかしれません。
市役所で働いていた時の県庁の印象
何をやっているのかわからない
私は市役所で税金の仕事をしていましたが、県庁との仕事上の繋がりは市役所で課税している税金についてわからないことがあれば聞く程度で、県庁が具体的にどんな仕事をしているのかわかりませんでした。
県庁ではゴルフ場利用税や不動産取得税などの県税を扱っているのですが、県税事務所に行ってもほとんど住民がいませんでした。
また、住民票の発行、所得証明書の発行など住民の生活に身近なことは市役所の仕事でした。
以上のことから「県庁って何をやっているの?」という印象しかありませんでした。
高飛車な人がいる
問い合わせに丁寧に答えてくれる人が多いのですが、たまに偉そうな人もいます。
市役所の窓口で県庁の名札を付けながら怒鳴っている人もいました。
県庁に入ってからも、市役所職員のことを下に思っている人がいて残念な気持ちになりました。
県庁で働いて感じた市役所の印象
無茶ぶりにも答えてくれる。
私は市役所から県庁に転職しましたが、市役所の方はどこも協力的で非常に助かりました。
国から「国会案件なので2時間以内に回答して下さい」「補助金の関係で調査をしたいので1週間以内に回答して下さい」「あなたの県に調査に行きたいので協力して下さい」と依頼があった時、県庁は市町村に依頼します。
通常業務も忙しい中での依頼でしたが、市町村の方は嫌な顔一つせず対応してくれました。
和気あいあいと働いている。
市町村職員は職員同士が仲の良い印象です。
私も勤めていた市役所に仕事で行くこともあったのですが、特に若い職員同士で仲良さそうに話している姿をみて少し羨ましくなりました。
県庁も仲が悪いわけではないのですが、住民が来ることが市役所に比べて圧倒的に少ないので、静かな雰囲気の中でみんな黙々と仕事していました。
低姿勢な人が多い
こちらから電話するときも、市役所から電話がくるときも丁寧に対応していただきました。
県庁職員は県名も名乗らないことが多いのですが、市役所の方は市名・部署名・名前を名乗ることがほとんどでした。
また、私のような若造職員が市役所に行った時でも必ず課長まで通され、挨拶をしました。
番外編
ここからは番外編です。仕事などの話しではありませんが、県庁や市役所の雰囲気を知ってもらいたいと思って書きました。
県庁職員はお金に慎重
要するにケチということです。
市役所の時は先輩とご飯に行くと必ずご馳走してくれました。
その代わり、後輩と行けば必ずご馳走していました。
市役所では先輩にご馳走になったら、自分が後輩にご馳走するという雰囲気でした。(もちろんそうでない方もいます。)
一方の県庁はほとんどご馳走になることはありませんでした。
先輩との初めての出張で昼食を取った時にご馳走になったのですが、「県庁では最初だけご馳走するんだよ!」と、どうだすごいだろ!と言わんばかりに言われたときはかなり驚きました。
不倫が多いのは市役所
ニュースで公務員の不倫がたまに出てきますが、県庁よりも市役所の方が多いと思いませんか?
詳しくは言えませんが、私がいた市役所もすごかったです。笑
市役所の方が暇だからというわけでなく、市役所職員の方が県庁職員よりもフレンドリーに接する人が多いからかなと個人的に思っています。
市役所には選挙の応援事務がある
投票に行ったときに選挙券を渡してくれる人は市役所職員です。
期日前投票の受付も市役所職員です。
県庁職員は選挙事務をやりません。
選挙事務って結構いいお金になります。私がいた市役所では投票日前日に2時間の準備、投票日当日は7~20時まで投票事務をやって、21~25時頃まで開票事務をやっていました。
この時間の超過勤務手当がすべて出るので、7万円程度もらえていました。
窓口に多くの住民が来る市役所は暑い
8月の庁舎内の気温は32度くらいありました。住民の人も「市役所に来れば涼しいと思ったのに暑いね」とよく言っていました。
来庁客が多すぎなのが原因です。
両方経験した私が選ぶなら市役所
私は両方経験しましたが、仕事は異動で選べないですし、やってみて意外に面白い仕事もありました。
これは市役所も県庁も変わりません。
明らかに違ったのは「人の楽しさ」です。
市役所で一緒に働いていた人の方が面白いし、若い人も多くて活気があったので非常に楽しかったです。
市役所をやめる際、同期に「こんなに楽しい奴らがいるのに辞めるなんてもったいないな~」と言われました。
当時は軽く流しましたが、今思えば本当に楽しい人ばかりでした。
以上のことから私が今選ぶとしたら、仕事の内容よりも人の楽しさが勝っていた市役所を選びます。
この記事では「県庁ではなく、なぜ市役所を受けたのですか?」「市役所でできて県庁でできないことは何だと思いますか?」などと面接時に聞かれたときの回答のネタにしてもらえるような記事でありません。
どっちに行くか迷っているけど、本当のところはどうなの?という疑問にお答えしたいために私の実体験から書いた記事になります。
参考になれば幸いです。