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地方公務員の残業時間とサービス残業を調べてみた

この記事の概要

  • 残業代が出るのは残業時間の約70%分
  • 残業代が申請できる時間が決まっている
  • 部署によって残業時間は大きく異なる

公務員はサービス残業が多いと聞きますが、本当かどうか調べてみました。

参考にした資料は私が県庁の時に付けていた残業時間と残業代に関する資料です。

 

私の残業時間とサービス残業時間

記録が残っていた残業時間とサービス残業をグラフにしてみました。

残業時間

平均すると残業時間は年193時間、うち残業代を申請できた時間は年142時間(支給率74%)です。約25%がサービス残業でした。

 

1年間で申請できる残業時間が決まっている

私がいた市役所と県庁では年度当初に申請できる残業時間が決まっていました。

部全体の残業時間が決まっていて、それが各課ごとに割り振られ、それがさらに個人に割り振られるという流れです。

年度末に予算が余った場合、残業代を申請できる時間が増えることもありますが、それまでにサービス残業が多かった職員に割り振られることが多いです。

また、残業時間が少ないと次年度に割り振られる残業代の申請可能時間が減らされるのが通例です。

 

地方公務員の残業の実態

次に私がいた県庁全体の残業時間を見ていきましょう。

残業時間は年間で147時間

組合が出している資料に、各部局の残業手当の支給状況一覧があります。今回はそこに載っている各部局の残業時間を紹介します。

平均すると年間で147時間ひと月当たり約12時間残業していることになります。

部局名一人当たり年間残業時間(h)
総務部189
経営管理部125
県民部139
環境部170
保健福祉部132
産業部121
農林水産部113
土木部179
会計局112
議会事務局136
人事委員会事務局168
教育委員会180
平均147

ここで示した残業時間には、災害対応など突発的な業務で発生した残業は含まれていません。災害時は土木部で特に残業が多くなりますが、その際の残業代はほぼ満額支給されます。

また、コロナ対応や鳥インフル対応など未曾有の災害の場合も全額支給されることが多いです。

 

年代別の残業代

私のいた県庁の平均残業時間(年間)は147時間でした。では、147時間残業した場合の残業代はいくらになるか年代別に見てみましょう。

年齢残業代単価残業代(年)
251,636円240,492円
301,979円290,913円
352,318円340,746円
402,795円410,865円
453,120円458,640円
503,342円491,274円
553,380円496,860円

公務員の年功序列を象徴するかのように、同じ残業時間でも年代が上がるにつれて残業代が多くなることがわかります。

 

都道府県、市役所、町役場、村役場別の残業代

都道府県、市役所、町役場、村役場の残業代(月額)も調べたので紹介します。

地方公務員の残業代は毎年総務省が発表している「地方公務員給与実態調査」で見ることができます。

都道府県
平均:34,819円
最大:56,883円(徳島県)
最小:22,259円(北海道)

政令指定都市
平均:38,889円
最大:56,921円(さいたま市)
最小:20,559円(浜松市)

中核市
平均:33,282円
最大:56,249円(福島市)
最小:13,603円(高崎市)

市役所
平均:27,252円
最大:75,646円(京都府京丹後市)
最小:1,719円(北海道赤平市)

町役場
平均:16,995円
最大:70,100円(北海道音更町)
最小:159円(和歌山県高野町)

村役場
平均:10,894円
最大:53,915円(東京都小笠原村)
最小:83円(大分県姫島村)

平均値なので何とも言えませんが、人口が多い自治体ほど残業代が多くなる傾向です。(村役場の83円って笑)

 

サービス残業をしている職員は6割

次に労働組合による残業代の支給実態に関するアンケート調査の結果を示します。

下のグラフからは、残業時間のうち、残業代がどのくらい支給されるのかがわかります。

残業代の支給割合

概ね残業代が支給されている人は42%
7割支給されている人は31%
5割支給されている人は20%
3割しか支給されていない人は8%
でした。

年齢が上がるにつれて概ね支給されている人の割合が上がっています。

 

サービス残業が発生する訳

私のいた県庁では6割の人がサービス残業をしていることがわかりました。

ここではサービス残業が発生する理由を3つ紹介します。

 予算がないから

サービス残業が発生する理由の1つは、残業代としての予算が不足しているからです。

各課は予算作成時に「うちの課はこのくらい残業代が必要です」と次年度に必要な残業代を財政課に申請します。各課は財政課が認めた分だけ残業代としての予算が付きます。

しかし、毎年どの課でも「職員がミスをした」「急に事業をやる必要が出てきた」など予想していなかった業務が発生します。

この不測の事態に対応した時の残業代は当然加味していないので、いくら残業しても当初決まっている残業代しか出ません。

公務員は不測の事態が発生することも多いため、サービス残業が発生します。

ちなみに私が申請できた年間残業時間は直近3年で、175時間分、150時間分、135時間と年々減少していきました。

 

 申請期限が当月の28日までだから

これは私のいた県庁だけかもしれませんが、残業代の申請期限が当月の28日頃まででした。

3月を例にすると、残業代を申請できるのは1~27日分までで、28~31日の4日分は残業代が申請できませんでした。

 

 ノー残業デーは残業代が申請できないから

私のいた県庁では水曜日がノー残業でした。水曜日は他の日に比べて早く帰る職員が多かったですが、それでも多くの職員が残業をしていまいた。

ノー残業デーに残業した分は他の日に申請できないため、その日残業した分はサービス残業です。

申請期限の問題と合わせると、ひと月に8日間残業申請ができない日があることになります

 

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