この記事を読めば解決できる悩み
公務員として働いたことがある人なら誰しもが今の職場に不満を抱き「転職しようかな?」と思ったことがあるはず。
しかし、「転職先でも不満が募ったらどうしよう」「そもそも何を目的に転職するのかわからない」など悩みは尽きません。
公務員だった私も転職活動を始めたばかりのときは、同じような悩みを抱えてきました。
しかし、2年間転職活動を続けたことで、自分が転職するべきかどうか段々とわかってきました。
そこでこの記事では私の経験を基に公務員から転職するべきでない人の特徴と転職に迷った際の判断基準を紹介します。
公務員から転職するべきでない人
嫌なことがあると、そのストレスから逃げたいと思い、後先考えずに転職してしまって失敗するケースが良くあります。
今の職場で当たり前と思っていたことも、いざ転職してみると実はありがたいことだったということも十分にあり得ます。
そこで本章では、私や私の知人の事例を基に、公務員から転職するべきでない人の特徴を具体的に紹介します。ここで紹介するパターンに当てはまる場合は、1度冷静になって転職するべきかを考えた方がいいです。
- 今の職場に気の合う人がいる・人間関係で悩んでいる人
- 何となく転職したいと思っている人
- 異動希望が通らない人
- 今以上の待遇を求めている人
- 新卒入庁後1年以内の人
【タイプ1】今の職場に気の合う人がいる・人間関係で悩んでいる人
- 嫌な上司がいても気の合う仲間が一人でもいれば支えになる
- 異動で人間関係が解消されることが多い
- 人間関係は自分自身に問題がある場合もある
■ 人間関係は解消できることが多い
人間関係は異動や周りの環境の変化などで比較的解消しやすいです。また、今の職場に一人でも相談できたり、気軽に話せる人がいれば精神的にも安定します。
「上司が使えない」「雰囲気が最悪」など職場に不満を抱えている人は、相手だけでなく自分自身にも問題があることもあるため、今一度自分自身に問いかけてみてください。
■ 転職先でも良好な人間関係が築けるわけでない
コミュニケーション能力に自信がある人でも、次の職場で人間関係に悩み、再度転職を検討することがあります。
■ 今の職場の人は大切にしよう
私は市役所時代には休みの日に遊びに行ったり、普段から飲みに行く人がいました。
市役所の時は住民から苦情を受けることが多く大変でしたが、良い仲間がいたので乗り越えることができました。
なので、良き仲間が職場にいる場合は恵まれた環境であることを忘れないでください。
【タイプ2】何となく転職したいと思っている人
- 一時的な感情で転職をするのは危険
- 転職の目的があいまいだと後悔する
- このタイプは転職を繰り返す可能性がある
■ 不満は一時的であることが多い
「現職に何かしらの不満がある」「周りが転職しているから、自分も何となく転職したい」という人は転職するべきではありません。
不満は一時的なものであることが多く、自分にも原因がある可能性が多いです。いつまでたっても不満が解消されない場合は転職を考えてもいいですが、1度冷静になって職場の良い点を考えてみるのもありです。
■ 何となく転職した場合、次の職場でも不満を感じる
「今の会社では本当にやりたことができないのか」「次の転職先ではやりたい仕事ができるのか」を良く考えないで転職した場合、転職先でも不満を抱く可能性が高いです。
転職したい明確な理由がない場合、「なぜ転職したいのか」「転職して何をやりたいのか」「転職先の仕事は本当に転職してやりたいことなのか」を本気で考えてみてください。明確な答えが出ないのであれば公務員に留まった方が良いです。
【タイプ3】異動希望が通らない人
- 会社も組織であるため個人の希望は通らない
- 転職先でやりたい仕事ができるとは限らない
- 転職するには今の部署で成果を出すことが大切
■ 民間でも異動希望は通らない
公務員は異動希望が通らないと言われますが、民間でも同じです。
民間も公務員と同じで組織であるため、個人個人の希望をすべて実現することは難しいです。
■ 部署の異動を交渉する
公務員は部署が多く、異動希望が出せるのが強みです。行きたい部署の管理職に認められれば、引き抜かれることもあります。
■ 転職するには今の仕事に精一杯取り組むことが大切
「公務員は部署によってはスキルや経験なんて身に付かない」という方は、民間で活かせるスキルや経験を勘違いしています。
確かにプログラミングスキルなどの具体的なスキルや経験がないとダメな場合も多いですが、公務員の働き方が評価させることもあります。
私の場合、次のことを職務経歴書に詳しく書いて、3社から内定をもらえました。
- 法令順守
- 開示請求の対応
- 年間計画の作成
- 残業削減のために取り組んだこと
自分が大したことないと思っていることでも評価されることがあります。今の仕事に一生懸命取り組みながら面接を受ければ、自分のアピールできることがわかってきます。
【タイプ4】今以上の待遇を求めている人
- 公務員の待遇は恵まれている
- 福利厚生や年収が現状以上になることは稀
■ 公務員の待遇は恵まれている
「公務員の年収は低い」「残業代が満額付かない」という不満の声が多いですが、公務員はお金の面では決して悪くはありません。
また、福利厚生や年間休日も公務員以上にきちんとしている企業は珍しく、転職先で新たな不満となる可能性があります。
■ 未経験で年収が上がる可能性は低い
年収の低さを理由に公務員から転職したい人もいますが、未経験の業界・職種に転職することが多い公務員が年収を上げるのは難しいです。
なので、年収が下がってもチャレンジしたい仕事なのかをよく考える必要があります。
≫地方公務員の生涯年収をチェックする
【タイプ5】新卒入庁後1年以内の人
- 社会ではある程度の我慢は必要
- 自ら環境を変える努力も必要
- 1年で辞めると短期離職を心配される
■ ある程度の我慢は必要
学生から公務員になってまず初めに大人の身勝手さに驚きます。住民や上司が理不尽で辞めてしまいたいと思いますが、残念ながら社会では理不尽なことばかりです。
心身に障害をきたすほど我慢することはおすすめできませんが、入庁後すぐの離職は次の転職先を探すときの面接で懸念材料になります。
■ 短期離職の懸念がある
面接では転職理由を必ず聞かれますが、1年以内の離職はどうしてもマイナスのイメージを持たれます。
上司のパワハラや住民からの怒号に耐えられなくなったという理由は面接官にとっては「それだけのことで離職するのか」と思われる可能性があることを理解しておきましょう。
■ 公務員の強みは部署異動ができること
職場環境が悪くても職場環境を改善できる環境が公務員にはあります。
今の職場の上司と割が合わなくても、管理職は1~2年で異動することが多いです。
仕事が合わないと思ったら、担当業務の変更や部署異動を申し出てみましょう。行動してもなかなか改善されないかもしれませんが、行動しなければ何も変わりません。
公務員から転職すべき人はどんな人?
ここでは私が考える転職すべきパターンを紹介します。
【パターン1】不満を解消するために行動したが改善されなかった
「上司が話しを聞いてくれない」「やりたい仕事ができない」などの不満を抱きながらも、何も行動していない人も多いのではないでしょうか。
私自身、県庁時代に希望する部署に行くために次のことを実践しました。
- 実費(200万)で大学院に行く
- 学会に入会し、学会に参加する
- 英語を勉強する
しかし、人事面談で「君が希望の部署に戻れる可能性は低い。戻るとしても何年後になるかわからないし、戻れても3年くらいだ」と言われました。
この理由が企業が納得してくれる転職理由かどうかを複数の転職エージェントに確認しましたが、全員が「そこまで行動したのであれば、十分な転職理由になる」という答えでした。実際、この転職理由は本当に企業に納得してもらえることができ、転職理由が明確になった後はほとんど面接に落ちることはありませんでした。
【パターン2】やりたいことが明確な人
一時的な不満で公務員から転職したい人の多くは、周りに流されて未経験採用が多い業界(特にWeb系)に転職したいと考えます。
しかし、転職後のプランが明確になっていないと入社後に後悔することになるだけでなく、面接官が納得する転職理由や志望動機を答えることができません。
自分のやりたいことを明確にした上で、なぜやりたいのか、それは公務員ではできないことなのかをじっくり考えた人であれば転職しても良いと思います。
【パターン3】年収や待遇が確実に改善する
公務員の待遇や福利厚生は恵まれていますが、それでも公務員の処遇に不満を持ち、転職したい方はいると思います。
未経験では年収が下がるパターンが多いと前述しましたが、コンサル系など一部の業界や職種では未経験でも年収が上がることがあります。
「知人が勤めている」「転職エージェントが確実な情報を持っている」など、確かな情報を基に待遇や福利厚生が改善することが明らかな場合は転職してもよいでしょう。
内定がもらえて転職するべきか悩んだ時の判断基準
いざ内定をもらった時に「本当にこの会社に行っていいのかな?」と思うこともあります。そこでここでは転職するべきかどうかに悩んだ時に何をやるべきかを紹介します。
転職する勇気が出ない方は参考にしてください。
転職して失うこともあることを理解する
転職してから公務員の良さに気づくこともあります。公務員から転職した私も転職してから公務員の本当に良さんび気づきました。
公務員から転職して失ったことや後悔したことは次の記事でまとめていますので、興味ある方はご覧ください。
転職先に求める条件を明確にしておく
すべてのことで100%満足の行く転職をするのはほぼ不可能で、何かしら妥協する必要があります。
そこで大切なのが自分の譲れない条件と妥協できる条件を明確にすることです。私の場合は、①年収が現状かそれ以上、②片道1時間以内、③残業が少ない、が絶対条件でした。
転職先に求める条件は人によって違いますし、その時の環境や状況によっても異なります。働く上で大切なことですので、ぜひ時間をかけて考えてみてください。
転職先でやっていくのは大変
転職をすると、人も仕事も環境も福利厚生もすべて変わります。私の場合、特に以下の点が転職して大変だったと思いました。
- 人間関係を一から構築する必要がある
- 自分の意見主張は無理
- 風習やルールに戸惑うことがある
- 仕事の進め方が全く違う
特に人間関係の構築は大変です。ある程度、長い付き合いであれば、急な休みを取りたい時や仕事をお願いする時も頼みやすい、転職したばかりですとそうもいきません。
すぐに溶け込める性格であればいいですが、今まで気づいた人間関係がなくなっても転職したいのかを良く考えて方がいいでしょう。
転職しようか迷っているときの対処法
ここまで、転職するべきでない人と転職すべき人の特徴を紹介してきました。今すぐ転職したい人でも転職先の方が酷かったらどうしようと不安になる人も多いのではないでしょうか。
そこで、本章では転職しようか迷った時に私が実際に行った方法を紹介します。
転職エージェントに相談する
私は頻繁に転職エージェントと面談していました。面談することで自分のキャリアや転職先に求める条件を整理することができました。転職エージェントは客観的な立場から、今の職場に留まるべきか転職すべきかのヒントをくれます。
公務員でも親身に話しを聞いてくれた転職エージェントを次の記事で紹介していますので、参考にしてください。
すでに転職エージェントに登録はしているけど、何からやっていいかわからない人は次の記事が参考になります。
また、コンサル系に転職したい方はdodaがおすすめです。宮内庁向けのコンサルをしている会社の求人が多く、公務員が求められています。
≫dodaのメリットやデメリットを確認する
自己分析する
良い転職をするには、転職で実現したいことを明確にする必要があります。そのためには自己分析が必要です。
自己分析はぜひ転職活動中にしてください。転職活動前にするよりも転職活動中にすることで、面接対策にもなりますし、転職エージェントとの相談と並行することで、転職するべきかを熟考することができます。
また、自己分析は面接で具体的な回答をするのにも役に立ちます。自己分析は面倒で時間のかかる作業ですが、自己分析を徹底的に行えば面接の通過率が上がるだけでなく、自分が転職先に求めることが明確になり、満足のいく転職に繋がります。
ちなみに私はこの本で自己分析を進めました。分量は多めですが、各章の質問に答えていくだけで自己分析が進みます。
その他、転職活動に役立った本は次の記事で紹介しています。
最後に:公務員の方が良かったと思わないために
この記事では公務員から転職すべきでない人の特徴を解説してきました。
今回の記事のポイントは次の3点です。
- 転職すべきでない人は5パターン(記事参照)
- 転職すべき人は不満を解消するために行動した人
- 転職先でやっていくのは相当大変
転職で実現したいもののなかで、妥協できるものと妥協できないものがあると思います。
それらを決めるにはある程度の時間が必要であり、変わるものでもあります。
この記事で紹介した『転職すべきでない人の特徴』を読んで、本当に転職すべきかどうかをよく考えてみてください。