この記事の概要
- 公務員を辞めたいと思っているのは100人中16人
- 公務員を辞めたい理由は「もっと魅力的な仕事に就きたい」が第1位
- 公務員の離職率は1%で民間企業の離職率11%より大幅に低い
公務員を辞めたいと思っている人は、周りにも同じ境遇の人がいないか気になると思います。しかし、辞めることを相談するのは勇気がいることであり、同じ職場の中に辞めたい人がどれくらいいるか気になってもわからないケースがほとんどです。
そこで、この記事では私が在籍していた県庁の労働組合青年部のアンケート調査を元に、公務員を辞めたいと思っている若手の数とその理由を紹介します。
周りに公務員を辞めたい人がどのくらいいるか知りたい人に参考になる記事になってます!
公務員を辞めたい若手の数と割合
公務員を辞めたいと考えている人は100人中16人
県庁労働組合青年部のアンケート調査が結果がこちらです。
県庁で働き続けたいと考えている人:956人
県庁で働き続けるつもりのない人:153人
転職活動をしている人:39人
「ずっと働くつもりはない」「現在転職活動中」を合わせると100人中約16人が定年まで勤めるつもりがないことになります。
国家公務員は7人に1人が数年以内に辞職する意向
上のアンケート結果は私がいた県庁のものです。国家公務員の若手官僚を対象にした調査では30歳未満男性の7人に1人が既に退職を検討中か、1~3年程度のうちに辞めたいと回答しています。
地方公務員と同じく国家公務員の若手も離職を考えていることがわかります。
地方公務員を辞めたい理由
アンケートで「ずっと働くつもりはない」「現在転職活動中である」と回答した人が、公務員(県庁)を辞めたい理由を回答していますので紹介します。
第1位:仕事がつまらない
もっと魅力的な仕事につきたい、他にやりたいことがあるということです。
異動希望が通らず、やりたいと思っている仕事ができない職員も多くいます。
私がいた県庁では、研修中に「こんなことがやりたくて県庁に入ったわけじゃない!」と言って、1週間で辞めた人がいました。
第2位:無意味な仕事が多い
県庁に限らず公務員の仕事には無意味だと思う仕事が多いです。
- 議員に変わり答弁作成
- 誰も来なそうなイベントの開催→結果、さくらばかり。
- メールに回答するためにわざわざ上司の決裁を取る など
じゃあ減らせばいいじゃん?と思うかもしれませんが、一個人がそう思っても、古い体質が残る組織を動かすのは並大抵のものではなく、労力がかかります。
なので、労力をかけてまで、直せるかどうかわからないことをやるよりも、無意味な仕事をせっせとやる方が時間的にも労力的にも良いため、そのままになっているのが現状です。
第3位:業務量が多い・残業が多い
公務員は業務量が増えているのに、将来の人口減に合わせて職員数を減らしているため、残業が常態化しています。
サービス残業も多くなっており、辞めたい理由の1つにランクインされています。
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第4位:給料が低い
公務員の給料自体は決して低くありません。なぜ給料が低いと感じるかと言うと、サービス残業が多く、業務量に見合った給料が出ていないためです。
私もサービス残業が多い方ではありませんでしたが、それでも残業時間に対して7割しか残業代が出ませんでした。
第5位:職場での人間関係
公務員は人間関係で休職する人や異動希望を出す人、辞めてしまう人が多くいます。しかし、3~4年待てば異動できますし、その前には嫌な相手も異動する可能性が高いので数年我慢すればこの問題は解消されます。
今回は県庁職員に対するアンケート調査でしたが、市役所であれば住民対応が辞めたい理由にランクインすると思います。
国家公務員を辞めたい理由
先ほど国家公務員の若手官僚の7人に1人が辞職の意向があることを示しました。
地方公務員の辞めたい理由と違いがあるかを見ていきましょう。
第1位:もっと魅力的な仕事に就きたい
地方公務員と同じく、仕事がつまらないという理由が第1位となりました。官僚は霞が関勤務の場合が多く、国会対応などで早朝まで仕事をしています。
そのため企画立案など本来やりたい仕事ができないことが多く、それが辞めたい理由になっています。
第2位:収入が少ない
地方公務員でもランクインしていました。地方公務員と同様に国家公務員もサービス残業が多く、業務量に対する収入が少ないと感じています。
ただ、事務次官クラスになると2000万円代になるため地方公務員より稼ぐことも可能です。(かなり狭き門ですが)
第3位:長時間労働で仕事と家庭の両立が困難
令和3年人事院勧告資料の参考資料「1 国家公務員給与関係 」によると国家公務員の平均年間超過勤務時間数は次のとおりです。
- 本府省 年358時間(月30時間)
- 本府省以外 年181時間(月15時間)
一方、地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果によると地方公務員の平均年間超過勤務時間数は次のとおりです。
- 本庁 年220時間(月18時間)
- 出先 年119時間(月10時間)
このように国家公務員は残業が多いため、家庭との両立が難しくなります。
なお、ここで示した数字は残業手当が支給された時間を示しているため、本来の残業時間はもっと多いはずです。
特に国家公務員は国会の時期になると、朝の4,5時まで残業していることが多いです。最悪職場に泊まり込みということもあるそうです。
実際に公務員を退職する人数
最後に実際に毎年どのくらい公務員が退職しているか見ていきましょう。
退職者36,000人のうち、定年退職者は19,000人
令和3年度地方公務員の退職状況等調査によると一般行政職の退職者は36,586人でした。そのうち定年退職者は19,451人です。
普通退職者は10,305人
退職者のうち普通退職者は10,305人でした。普通退職とはいわゆる自己都合による退職のことで、自らの意思で辞めた人のことです。
その他にも「早期退職募集制度による退職」や「勧奨退職」などがあります。
普通退職者のうち34歳以下は53%を占める
次の円グラフに示すとおり普通退職者のうち34歳以下の若者が占める割合が53%です。3年前は47%でしたので、若手公務員の離職率が増加していることがわかります。
公務員を辞める人は少ない
公務員を辞める若手が増えていますが、公務員全体の離職率は1~2%です。一方、民間企業の離職率は雇用動向調査結果の概要によると11.3%であり、公務員の離職率はかなり低いことがわかります。
まとめ:公務員を辞めたい人は多いが実際に辞める人は少ない
今回は私が在籍していた県庁の組合におけるアンケート調査の結果から、公務員を辞めたいと考えてる人数とその理由を紹介してきました。
公務員を辞めたいと考えている人は多いですが、実際に辞めている人は少ないことがわかりました。
その理由の一つに公務員から転職したいけど何をしていいかわからないということがあると思います。以下の記事では公務員から3社に内定をもらった私が実体験を基にした公務員からの転職方法を紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。